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Salmon&Trout 森枝幹:農家と肩を組み、多様な食体験の場をつくる

大きな体と朗らかな笑顔で私たちをお店に迎え入れてくれた森枝幹さん。この日は森枝さんがシェフを務めるSalmon&Trout(サーモンアンドトラウト)で、開店前の仕込みで忙しい時間帯にインタビューと撮影に応じてくれました。森枝さんはFarmer’s Market @ UNUが始まった当初から食材を買いに通ってきていたほか、実際に農業をしながら表参道の246 COMMON(現Commune 2nd、Farmer’s Market @ UNUと同じ運営母体が手がける)で3店舗を経営していたり、Farmer’s Market Community Clubをはじめとしたイベントのランチ会などで腕を振るってくれたりと、私たちが美味しく楽しい食体験をするのに欠かせない存在。最近は、アジアの国々を旅して周り、いろいろな面白い食文化を研究しているそうです。そんな森枝さんに、今回のレシピ制作秘話と日頃のあれこれを聞いてみました。

TOKYO BINZUME CLUB:今日はどんな料理を出すんですか?

森枝さん:柿とモッツアレラチーズ、食用ホオズキなんかを使ってオレンジ色のサラダを。メインは鴨が届いたのでそれで何か。今日は珍しくサーモンも来たのでどうしようかな。Salmon&Troutっていう店なのにサーモンくるのは珍しいんだよね(笑)。

ー幹さんの料理を見ていると即興的な要素が強いなと感じるんですが、そのインスピレーションや感覚はどこから湧いてくるんですか?

森枝さん:そうだね、ほとんど素材を見ながら、これまで食べたことがあるものを思い出したりしながらその場で作っていってるね。今回作ったホットソースも、タイではまった調味料の味を思い出しながら作ったんですよ。

ーなるほど、本場の味を幹さんのフィルターを通してレシピとして作ってるんですね。具体的にはどんな工夫を?

森枝さん:工夫ってほどでもないんですけど、ハラペーニョをシンプルに甘酢漬けにしました。調味料として使ってもらう時のことは考えましたね。生の唐辛子を買ってソースに使うのはめんどくさいから、冷蔵庫にいつでも入れておけるようにしました。辛みをもっと引き立てたり、発酵させても美味しいんだけど、今回は幅広く使える感じにしてます。刻んだ玉ねぎと一緒にお肉に乗せてもいいし、魚醤と合わせてフォーのスープに混ぜ込んでもいいし。タコスなんかに使ってもいいね。

 

ー幹さんはFarmer’s Market @ UNUの古くからの常連さんですが、Peppers.jpさんのハラペーニョは前から使っていましたか?

森枝さん:そうですね、時々。今回はPeppers.jpさん側からハラペーニョを使うことを提案してもらいました。唐辛子って品種によってドライな風味の方が使えるとか、今回みたいに漬けた方が良いか向き不向きがあるんですよね。今回このホットソースに使ったハラペーニョは、スッとする爽やかな辛みがあるのがよかったなと思ってます。

ー私も実際にいただいてみましたが、シンプルな味わいで料理のビギナーでも取り入れやすいソースだなと感じました!ところで幹さん自身はお店ではどんなものをびん詰めにしてますか?

森枝さん:ハーブが余ったらハーブビネガーにしたり。ピクルスももちろんたくさん作るし。いろんなものを塩漬けにしたり、食材をびんの中で発酵させていくと美味しいですよね。

246 COMMONでお店をやっていた頃は、近隣のスペースでびん詰めのワークショップを開いたりしていました。梅酢とか、魚醤を唐辛子やニンニクに漬けたものも美味しい。でもそういうのって、家でできちゃうからね。びん詰めの技術自体は全然難しいものじゃないから、食べてみたいものがあれば誰でも作ってみればいいんじゃないかと思う。

ー確かに。そんな中で、TOKYO BINZUME CLUBはあえてびん詰め食品のブランドとして活動してるわけですが…今後新たに一緒に作っていきたいものってありますか?

森枝さん:作ってみたいものと言っても、やっぱり食材ありきになってくるから…農家さんが持つ課題に対してできることを提案するのがいいんじゃないかな。例えば、余剰野菜の使い道がないから活用するとか、新種の作物を色々な人に食べてもらう為に美味しく調理するとか。菊芋とか、今やみんな知ってると思うけど初めは誰も手に取りませんでしたからね。農家さんと一緒に料理を考えていくのは僕がこれまでやってきたことだし、これからも続けていきたいと思っていることです。

農家さんからお手紙付きで届いたみかんの箱

ーまさに私たちがこの活動を立ち上げたおおもとの趣旨はそこで、昔から馴染みの幹さんに共感・協力してもらって感謝しています。

最後に、幹さんはシェフ以外のお仕事もしてますが、活動全般を通じて心がけていることって何ですか?

森枝さん:食を通じて新しい発見を提供し続けていくことですかね。せめて、求められている期待に応えられるような努力をするようにしてます。とはいえ、お店でそれをずっとやり続けるのも何年もやってきたので、これからは子どもに向けた食育の機会を作ったりしていく予定です。「次の食のスタンダードを作る」ことを目的にオーガニック野菜や売れ残り野菜を選んで使おうかなと。そうしてフードロスの問題にも向き合いしながら、これからの食のあり方を考えていきたいです。

幹さんの自由な発想やクリエイティビティは、実際にSalmon&TroutやFarmer’s Market @ UNUのCommunity Clubでも行なっているポップアップイベントでも目の当たりにすることができます。あなたの食卓でも、幹さんの頭の中を覗くつもりで、このホットソースをひとさじから取り入れてみてはいかがでしょうか。

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